生徒会長の恋人、かぁ。
誰もがトキメクシチュエーションじゃないか。
うん、でも私にはさらさら関係無いな。
スタスタと足を進めた私の視界に映る綺麗な校舎。
まるで他国みたい……。
私の目の前は、まるで映画に出てくるお城みたいな白の壁に、赤い三角の屋根の校舎で埋まった。
ここ学費高いんじゃない…?
・・・・・・・・・・っていうか校門から生徒玄関まで遠すぎるのよっ・・・・!
私は腰まである長い髪が揺れるのを感じながら、あまり人に関わりたくないという理由で、下を向いて早歩きで歩いた。
ロイヤルミルクティー色の様なこの髪は地毛なんだなぁ、なんて思いながらぼーっとしていると。
「……おい、お前」
「えっ………きゃっ!」
───────どんっ!!
いきなり重低音が聞こえたかと思うと、誰かにぶつかった。
「っ、ごめんなさいっ…!!」
自分なりの最上級の謝罪をする。
だって多分男の人だし、確実に私が下を向いていたからだし、「なんじゃい、われぃ!」とかなったら……!!
一気に体の血が引くのがわかる。
………死ぬわ、確実に。