「とっくに出来てる。さ、出発するか。夢夏は、椎のバイクの後ろに乗るか?」

「あ、うん。そうしようかな」


ところで、状況についていけない人もいると思うので、整理しよう。

私が椎に海に行きたいと、軽い気持ちで言うと、何故かみんな気合を入れて、何泊も泊まれるぐらいの荷物を用意し、今、リビングにいたるわけで。

話を聞くと、鷹松高校メンバーも来る様で。


「………私達、捕まったりしないかしら。免許とか」


心配になって香月の袖をくいっと引っ張った。
すると、彼は爽やかな笑顔で。


「大丈夫。理事長が上手くまとめてくれるから。………お金、とかでな」

「…ッ、無事を祈るわ」

「学校の出席日数やらも大丈夫だ。生徒会メンバーは、特別単位制だから」

「わかった。ありがとう」


さて、と。 私も荷物を持って寮を出なきゃ。


「夢夏。俺持ってやっから、お前はとりあえずそこの軽い荷物持ってくれ」

「ありがとう!」