なんて、ぼーっとしていたら。
椎が頭を撫でてきた。
「っ、な、なに?」
「……可愛いなって」
「はっ……?! か、かわ!?」
「くくっ…可愛いから」
一体なんなんだろう。
どうしてこんなに心臓が脈打つんだろうか。 無駄にフェロモンを放出されるのが憎たらしくてならない。
それに。もう慣れてはいるけれど、こんなに綺麗な顔で近くで微笑まれると、眩しさすらも感じる。
「…………他の、」
「ん?」
「他の女の子にも…」
はっと我に帰り、思わず口を掌で塞ぐ。
っ、何を言おうとしたの私?
「夢っ、」
名前を呼ぼうとする椎の口を塞ぐ。
「だ、だめ!今だけは、名前、呼ばないで!」
ぎゅっと目を瞑り、自分で自分がわからなくなるくらい破裂しそうな心臓を沈ませる。
きっと、椎はきっととても不愉快そうな顔をしているだろう。


