「おら、動くなちび!! ってか軽すぎんだよ食え!!」


「食べてるわよっ…!! っていうかみんなは!?」


「先に行ったぞ。椎達に夢夏をお願いされたから俺は来たんだよ。」


「それって……?」


「鈍いから。じゃあ、行くぞちび太郎」


「は、はぁっ!?」



意味不明な言葉を放ち、脚を進める綾。

急いでるのに、きちんと私の靴を持ってくれる仕草に口が綻ぶ。


「ありがとう、靴を持ってくれて。優しいのね」

「……スピード上げっぞ」

「ぜっ、前言撤回!!」


何故か少し顔が赤い綾に担がれ、目的地へ向かった。