「ぶふっ、藤谷と申します!! 」 「不二家?」 「ふじたに、藤谷でございまーす!!」 「サザエさんか。」 「いたぁっ!!」 目の前で綾に叩かれているのはどうやら藤谷華鈴ちゃんという女の子らしい。 私より背は小さくて、華奢で。 傷んでいない艶やかな髪色は黒で、ゆるゆるとカーブしている。 「華鈴、あんまりこっちにはこられないから、……でもね、やっとオッケーしてくれたの。」 「良かったな、華鈴」 「うん、ありがとう」