「まぁ、みんな夢ちゃんが大好きだからね。」
「そ、そうなの?」
「そーなんだよっと。」
真帆は立ち上がり、お尻を払って私に手を差し出した。
行こうか。と言わなくても表情を見れば分かった。
私はシャツのボタンをしめて、差し出された手に手を重ねた。
「奏ちゃん達は、僕より重い闇を持ってるよ。」
お互い顔は見ずに、手を繋いでただ前を向いていた。
「大丈夫。受け入れる覚悟はとっくに出来てるわ」
目の前には沢山の花達。
風に揺られて、まるですりよう家族の様。
「そうなんだ……。じゃあ。行こう?」
「えぇ、そうね」
歩いて帰る途中、あのキスマークの上書きの代わりに腕組ませて、と言う真帆のために腕を組みながら、寮へ戻った。


