「大丈夫だよお嬢さんー。俺がでかくしてやっからさ~」
「いらないわよ!! でも」
「でも?」
奏夛の大きな背中に頬をすりよせる。
嵩のバイクに乗った時を思い出しながら、私は腰に回す腕に力を込めた。
「奏夛のそういう所も、全部ひっくるめて、大好きよ」
ふざける所も、今日はなんだか気まずくて私の事をお嬢さんって呼ぶところも。
全部大好き。
「・・・・・馬鹿みてぇ、まじで泣きそうだよこの俺が」
「なんだか…、瞼が重い」
「眠いんだよ、ゆっくり走るから捕まってねてろ」
「ん・・・・・・」
沢山沢山、中身が濃くて。
沢山沢山、数え切れない星の下で。