ちょ、引戸が回転したんだよ?
誰か突っ込もうよ、うん。


頭が疑問符だらけになっていると、妃優さんが抱きついてきた。


「あっ、翡翠先輩、妃優先輩お久しぶりです!」

「きゃー! 可愛い可愛いっ!
目の保養になる~っ」

「本当に久しぶりね。 ちょっとお茶でも飲みなさいよ」


ぐいっと右腕を引く翡翠先輩。


けれども左腕も引かれて。


引いた張本人を見上げれば、すこぶる機嫌が悪そうに、鋭い目付きで翡翠先輩をにらんでいた。


「お茶はいらねぇ。アイツを呼んでくれれば良い。」

「まぁ、所詮下級生で、天下の親の力で這い上がった小僧のくせに、随分生意気ですこと」

「しゃあねぇだろ。その天下の親の命令なんだからよ 」

「それもそうね。 妃優、私呼んでくるから2人をソファーにお願い」

「了解ですっ」