「入るぞ、夢夏」

「、私帰り・・・・」


────コンコン


「俺だ。入るぞ」

「え?!」


突如扉をガバッと開けて、ズカズカ入り込む椎。

ちょっと待て。さっき名前を名乗ったかのように見せかけて名乗ってませんよね?

こんなこと電話でしたら、ちょっとした詐欺だと思われるわよ。



「入るぞ、夢夏」

「あ、うん」


腰に手を添えられ、執行部の部屋に入ると。


真っ赤のカーペットに、後ろには本棚。そして会長らしい人の机。
会長の机にはチェス盤があって。部屋の真ん中には真っ白のテーブルに囲むように黒のソファー。


まるで、部屋自体がチェス盤のような作りだった。

まるで別の世界みたいだな、なんて思っていると、この部屋の奥にある二つ目の扉がぐるん!と回転し、女の子が出てきた。


「あら、いらっしゃい。」

「わー!いらっしゃい夢夏ちゃんっ!」