「わかった。じゃあちょっとここ出た所で待っててくれるか?」
「うん、わかった」
なんで私だけ出るんだろう?
椎も出ればいいのに。って。
思ったけど、香月が椎に急いでワイシャツをかけて耳打ちしていたのを見たら何も言えなかったんだ。
香月 side
本当にこいつは馬鹿だ。
自分の腕と背中にアレがあるって気付けよ。
俺は椎に目で合図し、夢夏が出た後ワイシャツをかけた。
「お前忘れたのかよ、墨」
「・・・・・・・・・わりぃ。」
「これを見たら夢夏は確実に気付くぞ。関係を壊したいのか?」
「悪い、気ぃ引き締めるわ」
「あぁ」
今崩れられちゃ困るんだよ。
彼女が本当に居場所を無くしてしまうから。
「香月。じゃあな」
「じゃあな。執行部から死ぬ気で守れよ。」
「わかってる。じゃ」
「ん」
椎は浅く頷くと、夢夏を追いかけた。
またあいつ、筋肉つきはじめたな……。筋肉マンかよ、くそ。
「俺も頑張るか。」
そうして最終的に倒した数は軽く五十人くらいだった。