「うっせぇ。はなさねぇし、裏切らねぇ。誓うから」
「裏切ったら、私死ぬから」
「死なせねぇよ。な?」
ふと、みんなの方を見ると、みんな凛とした顔で私を見ていた。
「本気………、なの…?」
「姫、悪かった」
「か、奏夛?」
奏夛のいきなりの謝罪で、私は驚いてしまった。
「あっ、頭あげてよ奏夛」
「違う、頼むから。謝らせてくれ」
「っ……なんで?」
「俺はっ…、まだ心のどこかで姫はただの恵まれた奴だと思ってたんだ。椎が姫を選んだ理由も分からず、接触てきた」
「………当然よ」
「でも、重い過去を持ってたなんて知って、やっとわかった。……椎の見る目が、偶然じゃないって。悪かった夢夏。」
初めて夢夏、と奏夛に呼ばれたのかも知れない。
たったそれだけで、距離が縮まったような気がして、また涙が溢れた。