ふわり。

桜は散る。そして舞う。


「夢夏、おはよう」

「お父様、おはようございます



西のトップの極道、白虎。

そこは、完璧なものしか求めていなかった。

小さな頃から、動作や口調、振る舞いも。


全ては、お父様のこの髪色と。

西園寺の名を受け継いだ事にかけて。


「夢夏、最近学校はどうだ?」


決して楽しいかどうかは聞いていない。


「学年首位はキープしています。」


私の通っている学校は、総理の娘、大手企業の娘が通う大和撫子育成所。

白虎は、一位を取りたい。
その一心で、ここまで頑張り地位を得たんだ。

そうお父様は言った。


「容姿、頭脳がここまで揃っている子は見たことがない。
髪色も受け継いでくれて本当に良かった」

「私も、この髪色を受け継ぐ事が出来て幸せです」

「そうか。今日は本家の集まりがあるから、帰らない。じゃあな、夢夏」

「はい、お父様。」