「葵ちゃん!おはよー!」

「ん…おはよ」

「ハハッ、目がうつろになってる!」

春の朝、翼と私は手を繋いで通学路を歩いていた

「葵ちゃーーーーーーーーん!!!!!」

早苗がすさまじい勢いで走ってくる

私と翼は顔を見合わせて笑った

幸せ

胸いっぱいに春が来たようだ

チュッ

ふとすると、翼にキスをされていた

「隙、多すぎ」

ななななんてことをっ!

「んんっ」

どんどん深くなっていくキス

「つば…さ…んんっ…」

心がとろけてしまいそうだ

「はい、朝からダーメ」

早苗が割り込んでくる

「む…」

もっとしたかったな、キス

「…放課後楽しみにしててね」

そう耳元でささやかれて、顔がほてる

「なーに言ったのよ!」

「いった!」

翼が早苗にこずかれる

この春の日

胸いっぱいの喜びを私は一生放さないだろう

―永遠に

                ―END―