お母さんの10年目の命日

私は礼服を着て会場に来た

あの男は来てるのだろうか

その時、フラりと歩いていく男がいた

あれは…!

私は男を追いかけた

男が振り向く

「あの時の子じゃん…美人になったねぇ」

なめ回すように私を見る

気持ち悪い

その時

「兄ちゃん…?」

という、聞き慣れた声がした