私は子供たちに引っ張られるように
フリースペースの柔らかい絨毯の上に座らされた。
「あのね、りりかおねえちゃん。すごく寂しかった。」
幼稚園の年長生の佳子ちゃんが
横から抱き付いてそう言った。
『ごめんね?最近、忙しかったの。』
切なそうな顔を浮かべる彼女に
頭を撫でてあげながらそう言う。
「りり姉、彼氏ばっかの相手してるから忙しいんでしょ。」
『そんなんじゃないよ、綺海(マリン)。ただ、最近文化祭とかあったからなかなか来れなかったの。』
ソファーに座って話しかけてきた
綺海(まりん)は、今年で小5。
親の育児放棄で
4年前にここに来た子。
最初はすごく問題児で大変だったけれど
だんだん落ち着いてきて
今では下の子供たちの面倒をみるほど
成長した。

