「梨々香。」


ベッドの隣の椅子に座る彼が呼んだ。








『うん?』






すると、彼は四角い箱を取り出した。


「梨々香。これからも俺のそばにいてほしい。この先もずっと。今までまともに梨々香のこと守れなかったけど、結婚する頃にはもっと一人前の男になるから。」







『……りいき』






「まだこんな年だから本物は渡せねえけど、ここに予約させて。」



すると、私の左手の薬指に小さなダイヤが埋め込まれたリングをはめた。