―11日目- 俺は、自分のポータブル音楽プレイヤーを取り出し梨々香の好きだったmawaの音楽をかけ、彼女の耳にそのイヤホンを。 『梨々香……聞こえるか?』 俺は、そう優しく彼女に問いかける。 返事なんて返って来ないけれど 彼女の口は動かないけれど 俺には聞こえるんだ。 ”うん”って笑顔でこたえる君が。 もう俺には、 幻聴も幻覚も見えているのかもしれない。 でも、梨々香の幻聴や幻覚なら いくらでも見たい。 見れるものなら、 また俺の前で微笑む彼女なら 何度だって見たいから。