結局、雪乃は球技大会でテニスの総合優勝を、
果たした。

彩音も私も当然、喜んだし、
雪乃好きの後輩達も喜んでいた。

そして、谷中先生も
約束通り応援に来て、雪乃の優勝を喜んだ。

しかし、
私達が少し聞いた、雪乃に対する悪口。

谷中先生と雪乃が仲良くしていたことに
対するやっかみも、

応援席ではちょくちょく聞こえてしまった。




私は翌日になっても、
その事がずっと気になっていた。



閉会式の時でさえ、
雪乃に対する冷たい視線があった。

聞こえよがしに、
「高橋さんて、
谷中先生に媚びすぎじゃない?」
と噂をする声も聞こえた。


雪乃は多分、気づいてる。


だけど、気づかないふりをして、

「あーもう、テニス部入っちゃおっかなー」

とご機嫌な様子でいた。

私はどうすることもできなかった。

明日になって、
球技大会の記憶も少しは中和され、
皆が普通に戻ってることを祈るしかなかった。