「カッコいいな、雪乃は。」

彩音が言う。

「うん。そだね。」

「毎度思うけど、
私達なんかが友達やってていいのか?」

そういうこと言うのが、彩音なんだよなあ。

そりゃ、私だってたまに不安になるけどさ。

「嫌だったら、とっくに友達やめてるでしょ」

「…そうだね。」

「そうだよ。」

「たきのりってさ、友達どのくらいいる?」

ん?どのくらいって?

「考えたことない。」

そもそも、友達とは何なのかっていう、
哲学的な話から始まりそうな気がするし。

「友達いっぱいいそうだもんね。」

「そんなこともないと思うけど。

「私はあんまりいない。
だからさ、人気者の雪乃とか、
友達が多いたきのりを見てて、
ああ、私なんかが近くにいて、
いいのかな?って思っちゃうの。」

…本当にこいつは。

「んなこといちいち考えなくても、
私も雪乃も、彩音といて楽しいから、
友達やってるんだよ?」