自販機に行くには、
ここからだと、
裏庭を通りぬけるのが近い。

裏庭は大会の喧騒も、人気も少なく、
静かだった。


そんな場所で、
今一番会いたくない人である谷中先生に
会ってしまった。



「お疲れ様。」

「…お疲れ様です、」

目を合わせないように、
通り過ぎようとしたけど…

「お前さあ…」

話しかけられた。


「な、なんですか?」


ドキドキドキ…
なんで、私、こんなに緊張してんの?


「俺のこと、
露骨に避け過ぎじゃね?」


そりゃ、避けるよ。

避けるだろ、ふつう。


「そ、そうっすか?
キノセイダトオモイマスケド。」


カタコトでしゃべっちゃったよ。

「あのさあ、
言っておくけど…」

「あ、私、
急いでいるので。」

…逃げるが勝ち!