走って出ていった高橋は、
一瞬で戻ってきた。

「早っ」

「こうみえて、陸上部ですから。」

「へえー、高橋って陸上部なのか。」

「はい!だから、明日の球技大会は、
出場制限ないのです。」

「なるほどね。」

球技大会は、
ソフト、バレー、バスケ、テニス、卓球 の
5つの種目を、
まず、学年内のクラス同士で競いあい、
それぞれの学年一位のクラスが、
今度は学年を越えて競う行事だ。

四月の後半の土曜日に行われるこの行事は、
新しいクラスの親睦のために行われる。

ちなみに、こういう場合、
俺の土曜休みはなくなり、
当たり前のように、一教師として参加し、
裏方を手伝わなければいけない。

まあ、そんなことはいいとして、

公平をきすために、
該当する部の部員は、
それぞれの種目に出てはいけない決まりと
なっている。

「じゃあ、高橋は何に出るんだ?」

「テニスです。」

「お、テニスか。
俺、大学の時、テニスやってたんだよね。
まあ、サークルなんだけど。」

「そうなんですか。
テニス、楽しいですよね。」

「うん、懐かしいなー。
結構、試合とか見るのも好きなんだ。」

「じゃあ、
是非、明日は応援に来てくださいよ。」

「オッケー!絶対いくわ。」

そんな話をしていたら、
あっという間に作業が終わった。