というわけで、

「わがまま言って、ごめんなさい…
私は日本に残りたいです。」

私が退院した日、
退院祝いということで、
家族みんなで夜ご飯を食べている。

「そうか。
まあ、学校もあと2年で卒業だし、
再来年は受験生だしな。」

とお父さん。

「凛ちゃんが考えて決めたことなら、
私たちは何も言うことはないよ。」

と優香さん。

「家は、いままで住んでいたアパートで
良いか?」

「うん。大丈夫だよ!」

そっか。
そうだった。

また、先生と同じアパートで、
暮らせるようになるんだ。

…嬉しいな。

「何、ニヤニヤしてんの?きもいよ?」

「うるさい、黙れ。」

一也にからかわれる。

さすがに…
このことばかりは、特に理由はないけれど、
なんとなく家族にも話せない気がする。

久々に家族みんなで囲んだ食事。

私も無事、退院したということで
お父さんは明日、香港に帰るらしい。

次にまた、
こうしてみんなでご飯を食べるのは
当分先かもしれない。