「つーか何?
たきのりは、私がお昼一緒に食べるの
不満なわけ?」

「ええ?違うよ!!」

「悪かったねえ友達が少なくて。」

「まあまあ。
別に彩音が友達少ないわけじゃないでしょ。
たまたま、最近、皆忙しいだけで。」

雪乃がフォローを入れる。


今までは
雪乃と二人だけでお昼を食べていたけれど、

中間テストが終わったあとから、
彩音も加わり三人で食べるようになった。

彩音は3組で、
普段は合唱部の面々とお昼を食べていた
らしいけど、

中間テスト後から合唱部は、
夏のコンクールに向けて、昼練をしていた。

夏のコンクールはアカペラで挑むらしいので、
伴奏の彩音は必要ない。

よって、

「ゆきのーたきのりー。
今日から一緒にお昼食べていいー?」

と私たちのもとにやってきた。

こういうことである。


「ひょっとして、たきのりも風邪?」

「そういうんじゃないよ。
って、"も"って何?だれか風邪引いたん?」

「あれ?たきのり、知らねーの?」

彩音は不思議そうな顔をする。



「谷中先生、風邪で休んでるらしいよ。」