「ごちそうさま」
中々上出来な肉じゃがを食べ終え、食器を運んでいると、後ろから蓮もやってきた。
「片付けは俺もやる」
「ありがと」
こうやっていつも二人で片付けをする。
ーーなんか新婚さんみたい、なんて。
まあ、蓮と新婚さんなんてありえないか。
こっちから願い下げだよ。
「じゃあそろそろ帰ろっかな」
食器洗いも終えて、ひと段落したのを見計らい、誰に向けてでもなく呟いた。
でも、その呟きをどうやら蓮は拾っていたみたいで。
「.....おい」
帰ろうとするあたしの手を蓮が掴んできた。
「ん?なに?」
掴まれたてを見ながら、蓮に問う。
「まだ帰んじゃねーよ」
少し照れ臭そうに言う蓮。
....蓮がこんなこと言うなんて。
明日雨でも降るんじゃないの?
「え?なぜ?」
「や、だから.....どうせお前家帰っても暇だろ?」
失礼な!!
「暇じゃありませんーだ!」
「じゃあ何かあるのかよ?」
ーーーーそこに触れるか!
家に帰っても、勉強なんてしないし
特別何かするっていうのはない。
ーーーーつまり、暇。
....なんか暇っていうのも悲しいなあ。
「ねーんだろ?」
ニヤっと笑う蓮。
「うっ、そうだよ!ないよ!
もー仕方ないからまだ居てあげる」
どうしても、こんな可愛くない言い方になってしまう。
もう少し、女の子らしく可愛くなりたいな。なんて胸に秘めた私の願い。
「ふっ、はじめからそう言えよ」
「別にいいでしょ!」
ということでまだ蓮の家にいることになりました。
と言っても家は隣にありますが。


