だけど…もういいかな。

きっちりちゃっかりと生チョコのつまみ食いはしたし。

会長は黙っているあたしを肯定と捉えたのか、
「――ッ…!?」

唇に触れたのは、生チョコとはあきらかに違う柔らかいものだった。

えっ…えーっと…。

戸惑っているあたしにそれは唇から離れた。

「ご褒美です」

デレ甘い笑みで、会長が言った。

「…はいっ?」

ご褒美って、何ですか?

突然のことに訳がわからず、戸惑っているあたしに、
「こっちの方が、ずっと美味しいですね」

そう言って会長は、またあたしと唇を重ねたのだった。

重ねた唇は、ホワイトチョコレートの甘い味がした。