飲み込んだポッキーを戻しそうになった。

「はいっ?」

平然を装って返事するあたしだけど、心の中では完全にパニックだった。

「みんな、そう言ってるよ。

桃が会長から逃げてるって」

みんな――おそろしいな、このクラスは。

つーか、みんなあたしと会長を監視していたのかって言う話なんだけど。

「そう、かなー?

今までと一緒だと思うんだけど」

心の動揺を隠すため、あたしはもう1本ポッキーをかじった。

「えー、じゃあ気のせいかなー?」

「気のせいだって」

まだ納得していない委員長を無理やり納得させた。