胡桃は何も言えなかった。まさにその通りだったからだ。 〝たいへんよくできました〟 と心の中で彼女は思った。 「間もなく北千住、北千住」 車内アナウンスが響く。 「いい旅になりそうだ」 花丸の言葉を左耳で受け、胡桃は四度目となる「はあ」と溜め息をついた。