ようやく見ることができた、陸さんは。
なんだか、耳まで赤くなっていた。


「ごめん、マコト。おまえのこと学校に連絡するの、すっかり忘れてた」
「え……?」


外は、もう夜になっている。


だけど、そんなことよりボクは。


「陸さん……赤くなってる」
「え?」


陸さんが、うろたえたように、口元を手でふさぐ。

そうして、ボクを見て。

ちょっと、目を伏せた。


「だって、マコトからキスしてくれるなんて、不意打ち過ぎだったから」


手を離した口元は、少し笑っていて。