「どうしたの?こんな遅くに。おうちの方が心配するよ?」


応接室のソファで、少し硬くなって座っている堀井さんに、俺は笑顔を作って話しかけた。

机の上に置かれた紅茶は、柑橘系のフレーバーの香りがする。

紅茶を見つめていた堀井さんが、ようやく顔を上げて、俺を見る。


「すみません。遅くに。どうしても、陸さんとお話がしたくて」

「うちは大丈夫だけどね。なんだか、吉田くんに知られたら、怒られそうだな」

「そんなこと、ないですよ」


……堀井さんて、この少し鈍感なところ、マコトと似ているかもな。

幼馴染って、似るのかもしれない。