オサムが、バーテンにビールを頼む。


「オサムは、今は?」

「ちゃんと、新しい彼氏と、うまくやってます。今日はここで待ち合わせなんだ」

「へーえ。どんな感じ?」

「かっこいいんだー。優しくて、おしゃれで」

「それはぜひ、紹介してもらわなくちゃ」

「あー、でも彼、バイなんだよねー。恵美ちゃんが女の子でも、ちょっとやばいかも」


オサムと恵美の会話は、まるで仲のいい女子学生みたいだ。

こんなに簡単に女性と仲良くなれるのに、どうしてオサムがゲイなのか、よくわからない。


テーブルに置いていた、携帯が震えた。

メール、だ。

開く前から、マコトからだとわかっていた。

確認のために、メールを開く。