「マコト、ちょっと、いい?」



え?



陸さんの指先が、ボクの口元をぬぐう。


あ。


あんず飴食べてる時に、ついちゃったんだ。

指先についた水飴を、陸さんが舐める。



「あまい」



陸さんはなんでもないみたいなのに、ボクのほうが、なんだかドキドキしてしまう。

ああ。

ボク、ほんとに、陸さんが好きなんだ。




縁日の出店を通り過ぎて、神社の裏の階段を下りる。

あんなにいた人も、大分少なくなってくる。

陸さんが、ボクの手を握る。

陸さんと手をつないで、夕方の神社の木々の間を歩く。