鬼神様と××しました

私は小さな声ではあったが、「はい…」と返事をした。


認めたわけではない…

ただ、少し考えたいという…そういう意味が込められた返事だ。




「ありがとう。その他の細かいことは、源喜に聞きなさい」

「わかりました」


私はお父さんに、頭を下げた。




「……あなたを見ていると、死んだ妻を思い出すよ」

「………!」

「やっぱり人間は…愚かだが、美しい……」

「?」


お父さんはそう言って微笑むと、スッと消えた。




「き、消えた!」

「登場はふすまで、退場は消えるなんて…本当にわけわかんねえよな」




後ろであぐらをかく源喜さんが、呆れたように言った。




「親父の話聞いて、理解したか?」


人をバカにするかのように言う源喜さん。



「まあ…とりあえずは……」


理解はできました。




「じゃあ、私帰ります」

「…送ってく」

「いいです」

「…良くねえよ」