「バカ!これ以上のロマンチックあるかっ」

「バカはそっち!」


私は源喜さんの腕を叩き、スタスタと装飾された場所へ…


近くで見ると…

その装飾は、もっと可愛くてきれいなものだった。

私の隣に、源喜さんもやって来る。




「…ねぇ・・もしかして、今日の仕事は嘘で、ずっとこれやってたの?」

「バーカ。そんなもんは、聞くもんじゃねえよ」

「…そうだね」


私は源喜さんにより掛かり、「ありがとう」と小声で言った。




「さて。じゃあ、夕飯はここで食べますか?」

「…今日のメニューは?」

「ローストチキン&ビーフ」

「………それでこそ“鬼"だな」



私たちは、また深い深いキスをする。


誰もいない秘密の場所で、妖怪と半妖が二人きり…

私は本当に幸せ。



昔ばなしに登場する鬼は、悪者で最後必ず痛い目に遭う。

でも私の目の前に現れた鬼は…

私に幸福に導いてくれた…


導いてくれただけじゃない。

その鬼がいないと、私は幸せになれないんだ…





「源喜。ずっと…愛してる…」




END