「………ゅ、り………」


最後の力を振り絞ったように、辰彦はうっすらと目を開けて、口を開いた。

もう妖力も、悪魔からもらった力さえ残っていないのか、元の辰彦の姿に戻っている。




「…………あなたに殺されたあの日は…私にとって、最悪の日でした…」

「・・・・・」


冷たい口調でそう言い、辰彦を冷めた目で見下ろす百合さん。




「でも…今日は最高の日ね…」

「………っ!」





グサッっッッッ!!!!





っ!



百合さんは最後にそう言うと、辰彦に刀でとどめを刺した。


辰彦は目を開けたまま、その場で動けなくなった…





「お、お袋…?」


私と源喜さんは、百合さんに近づいた。


恐る恐る、百合さんに話しかける源喜さん。





「源喜…」


振り向いて源喜さんを見るなり、優しく微笑む百合さん。