その時、私が手に持っている刀を、誰かがスルリと奪い取った…


辰彦が奪ったのかと思い、慌てると…

目の前で、思わぬ光景が目に飛び込んできた。





グサッっぅ…………




「…………!」



辰彦が刀で胸を刺され、大量の血を流してその場に倒れ込む。




だ、誰………?



血のついた刀から、どんどん持っている人物に目を追っていくと…





「・・・・・」


綺麗な女性が、今にも死にそうな辰彦を、すごく冷めた目で見ていた。




「お、お袋…?」

「え…?」



源喜さんは、とても驚いた顔をして、その女性を見つめた。



この人が…

亡くなった、源喜さんのお母さん…?


でも、どうしてここに?