『フフフ…さすがは鬼一族、次期頭領候補ってとこだな』

「…悪魔と取り引きをした挙句…親父の弱みに漬け込んで、汚え戦い方しやがって…」

『これが俺の戦いだ…姑息な手を使っても、最後に勝てばいい…』

「まだお前は勝ってねえだろ。今から、俺に負けるんだよ」

『…!』



源喜さんがそう言うと、龍の辰彦の表情はぴくりと反応する。




「由希…」





源喜さんは、私の名前を呼ぶ。

私は「はい…」と答えた。




「お前の母親に化けていた妖怪を殺めた時は…目を閉じていろと言ったが……この戦いは、お前にちゃんと見ていてほしい…」

「…!」


源喜さんの言葉の意味を、一瞬にして理解した私。




源喜さんの戦いに、目を背けちゃいけない……


私は、これから源喜さんと結婚して…鬼一族になるんだから…

もう、その覚悟は出来てる…


だから、ちゃんと見ていなくちゃ…

最後は、どんな結末を迎えても……



「はい…最後まで見ています……」


私はそう答えると、源喜さんは一瞬微笑んだ。



前代未聞の戦いが始まる……!