きっと…

ずっと、お母さんの仇を取りたかったんだ……


炎の大きさが、それを物語ってるよ。




「舐めるな小僧」

「…!」


!?


すると、辰彦の体はまた変形し始める。




「なっ…なにあれ……」



目の前には、巨大な白い龍の姿。

もう辰彦でもなければ、人間でもない。


紛れもなく、龍の姿だった…




「お前…悪魔と取り引きしたのか…?」





悪魔って……




『ああ、そうだ…妖怪のことを調べていたら、悪魔の存在を知った…そして、悪魔と取り引きをすれば、特別な能力をもらえることもわかった…』


辰彦が変身した龍の声は、もはや辰彦の声ではなく、太くて大きな怪物のような声だ。




「やっぱりな。誰かに化ける能力は、龍一族にはない…それに、いくら半分妖怪になったからって…龍そのものになれる能力が使えるわけがない…」