鬼神様と××しました

あれだけ壁や物にぶつかったというのに、お父さんは傷ひとつない。

私はというと…



腕や足から、多少のかすり傷がある。

頭や額も、なんとなく痛い気がするから…きっと傷がついたんだと思う。


でも不思議と、あんまり痛くない。

血も多少出てるのに……



「さすが、長期間鬼一族と過ごしただけある。体が自然に、妖怪化してるんだ。これくらいのことで、妖怪はやられたりしない…」




瀧川先生が、宙に体を浮かして、私たちを見下ろしていた。


真っ黒な髪は腰よりも長くなり、

よりつり上がった目に、瞳は緑色…


瀧川先生は、まるで怪物に変身したようだった。




「あんた…もしかして………源喜さんのお母さんを殺した…」

「…!驚きましたね…私のこの姿を見ても、まだ口を聞きますか」

「答えて!そうでしょ!?前に源喜さんから聞いたの!それと…お父さんに何をしたの!?」

「あなたの婚約者の兄弟と、同じことですよ」


え…




「いや何…ちょっと弱らせてやっただけですよ。復讐するのに、多数の鬼一族を相手にするのは、いくら子供とはいえ手強いですから…」