「だって…絶対……素敵な人だもん…」


私はそう言って、源喜さんに笑顔を向けた。


思いつめていたような、顔をしていた源喜さんも…

優しく微笑んだ…



フウ……


柔らかい海風が、横を通り抜ける…



「もう、夏も終わりですね…」

「そうだな…」


少しだけ涼しく感じた風を受け、私たちはそう言って、顔を見合わせた。



「………!」


互いに見つめ合うと…源喜さんは、私の頬に手を添える。

私は金縛りにあったかのように、源喜さんから目を離せず、体も固まってしまった…



「・・・・・」

「・・・・//」


源喜さんが私に近づき、そっと優しいキスをした。


誰もいない場所で、

2人きりでのキスは…

2人だけの秘密…



そして唇が静かに離れ、私たちは見つめ合いながら、微笑む。

私は、自分から源喜さんにピタリとくっつき、夜の海を眺めた…

源喜さんは私の腰に手を回し、何も言わずに、しばらくそのまま過ごした。