「・・・・・」


私が質問すると、源喜さんはしばらく黙っていた。




「ごめんなさい。こんなこと聞くなんて…失礼ですよね、でも…」

「いいんだ」




源喜さんはタバコの火を消し、ふうと深呼吸した。



「ただ…ちょっと、お袋のこと思い出してただけ」

「・・・・」


源喜さん…



私は源喜さんの横顔を、じっと見つめる。





「………お袋は殺されたんだ」

「っ!」



殺された……!?




どこか、覚悟していた。

源喜さんの家族全員、お母さんの話になると、みんな笑顔を無くしていたから…


でも面と向かって言われると…

やっぱり、胸に突き刺さる…




「お袋を殺したのは……」





源喜さんが、言葉をためる。そして…






「人間だ」




え……