飛龍さんが腕を思いっきり振り、その怪物の胸に突き刺した。

怪物の胸の中は、水の渦のようなものが出来、怪物は一瞬よろける。




すごい…!

純麻くんが言ってた通り、飛龍さんは水を操るんだ!




『ゴゴゴゴゴオォォーー』




すると怪物は、さっきよりも更に暴れ始める。




「飛龍さんの力が効かない!?」


確かに怪物には、飛龍さんの攻撃は当たったはず!




「あの妖怪…飛龍くんの攻撃を、吸収してる」

「えっ…」


吸収って……

そんなこと、ありえるの?




「よく見て。飛龍くんが攻撃した所が、だんだん中へ吸収されていくのがわかるでしょ?」

「…本当だ」

「あの怪物は、何らかの方法で…外から受けた衝撃を、自分のパワーにできる力を身につけたんだな…」

「…ということは・・」


どうしたら、あの怪物を倒せるの?

この神社も、どんどん壊されていく…


ここは、源喜さんたち鬼一族の縄張りで、大切な場所なんでしょ?




「……ちっ、厄介な体だな」

「本当になんなんだ、こいつ…?こんな能力を持った妖怪なんて、いないだろ?」

「新種の妖怪か?」


怪物からの攻撃を避けながら、3人のそんな会話が聞こえる。