彩芽ちゃんが、思い出したように言った。



「お祭り?」

「そう!M神社で、毎年お祭りやってるんだけど…」

「ああ!そういえば、毎年やってるね」


昔から知ってる、あの神社だ!

河田くんが、よくたまってたところ(笑)


高校に入ってから、お祭りとか行かなくなっちゃったなぁ。



「良かったら、明日みんなで行かない?わたし雪希お姉ちゃんと、浴衣着て行きたいな〜」


彩芽ちゃんは、笑って言った。



「フフ、いいね!私も行きたいな♪でも…私浴衣持ってないや(汗)」


妖怪だったお母さんは、浴衣なんて買ってくれなかったし…(汗)




「大丈夫!うちには、浴衣いっぱいあるから!」

「え?」





……………


「ほらね?いっぱいあるでしょ?♪」



お風呂から出て、彩芽ちゃんに案内されたのは、広い和室だった。

そこには茶ダンスや、小物がたくさん置いてあり、衣装部屋のようだった。


彩芽ちゃんは、浴衣がたくさん保管されているタンスを、私に見せてくれる。




「本当にたくさんあるねぇ!でもこれ…全部男物じゃないの?」


手前にあった、浴衣や着物を保存する紙で出来た袋を、めくってみると…