源喜さんはそう言って、家の外を指さした。



「えーーー!これから、雪希お姉ちゃんと遊びたいのに〜」

「僕も〜!」


彩芽ちゃんと大くんが、私の手にしがみつく。




「すぐ帰って来るから、待ってろ(汗)」


源喜さんは、めんどくさそうに言った。




「2人共待っててね。帰ったら、いっぱい遊ぼ」

「絶対だよ!」

「わーい!」


私は2人に手を振り、源喜さんとそのまま外に出た。


2人きりになり、ちょっと緊張してしまう…



「…調子どう?」




外に出るなり、すぐに源喜さんはそう聞いていた。




「だいぶいいです。体の方も…もうほとんど大丈夫です」

「そっか。良かった…」


微笑む、源喜さん。

その顔は優しかった。



「…で。お前に話しておきたいことがあるんだけど…」

「…?何ですか?」

「……お前の住んでた家。あれ…空き部屋に戻したんだ」

「え?」


空き部屋って……





「昨日…お前の母親に化けてた妖怪の後始末を、來と純麻に頼んだ。そして今日、俺はあの部屋の荷物…お前の物は別だが…物という物は、妖力で全て消した」

「本当ですか…?」


どうしようかって、マジで考えてたのに……



「それであの部屋を、今まで誰も住んでいなかったことにした。もちろん妖力でだ」

「…!そんなこと、できるんですか?」