マリー

 オレンジ色の光がどこかから漏れ入るように入ってきていた。知美は部屋に入ると、鞄を入り口付近に置いた。ベッドに倒れ込むように横になる。

 ストレスから眠気を覚え、抗うことなく夢に落ちる。

「何かあった?」

 優しい言葉に顔をあげると、そこにはマリーが立っていたのだ。

「学校で嫌な事があったの」

 マリーは寂しそうに微笑む。そして、知美の後頭部に手を回すと、そっと抱き寄せた。

「気にしないほうがいいのよ。あの人達は可哀想な人なの。誰かをいじめて優越感に浸っているだけ。理由なんて何でもいいの。あんな人達と一緒にいて傷つくだけ無駄なのよ」

 知美は目を閉じ、頷いた。

 その言葉は知美の体にすんなりと入ってくる。

「わたしがずっと傍にいるから、相手にしたらダメよ」

 マリーの手が離れ、知美は彼女を見て頷いた。

「ありがとう」

 辺りに立ち込めていた光の空間が消え、いつの間にか見慣れた自分の部屋が目の前にある。


「夢、か」