マリー

 麻里の寂しい気持ちが恨みに変わり、美佐を憎んだ。そして、彼女が亡くなった事で、その憎しみの対象が知美に変わったとしたら彼女の気持ちがほんの少しだけ分かる気がした。

 岡崎は走り出そうとした知美の腕をつかむ。

「君はもうあの子に会わないほうが良い。家には帰りずらいなら、わたしの姪の家に少しだけお世話になればいい。わたしから事情を話をしておく」

 知美は彼がかばんを持たせた理由に気付いた。彼は家を出た時に結論を既に決めていたのだろう。

「どうして? だって、マリーはわたしと同じなの。放っておけない」

「しかし、わたし達の仮定が会っていたとして、君がもう一度彼女に会えば、
また同じことを繰り返すかもしれない。それが君と彼女にとって良いこととは思えない」

「じゃあ、どうしたらいいの?」

 知美は彼に腕をつかまれたまま涙をこぼす。

「供養をして、しかるべき場所に彼女を辿りつけるようにすべきだと思う。それを伝えたくて、君をここまで連れてきたんだ」