マリー


 彼はゆっくりと頷く。

「すぐには受け入れがたい面はあるが、そう考えれば納得はできる」

 彼は短く息を吐いた。

「わたしの知り合いにそういうのに詳しい人がいてね、何もそう珍しいことではないと言っていた。いつからあの人形がそうなったのかは定かではないし、どうして白井さんがそれを持っていたのかは分からない。

ただ、君の母親がこの地を去るときにもその人形を持ったままで、自分を探さないで欲しいと告げたんだ。今の君と同じように、ね」

「麻里ちゃんはお母さんをそんなに恨んでいたの?」

「正直なところ分からない。さっきは言わなかったけど、彼女は白井さんを待っている時にクラスメイトに会ったんだ。その時に、美佐さんについてあることないことを吹きこまれていたらしい。その矛先が美佐さんに向かってもおかしくないのかもしれない」

 現状を知る人間はここには一人もおらず、全てが推測でしかない。