「アハハハハ!!何それ!面白すぎ!」



お昼の時間、食堂で他の人の目も気にせず私を指差しながら笑い者にするのはやっぱり理香。



「そんなに笑わなくたっていいじゃん!」



私はまたむくれて頬を膨らます。



「いいじゃない、そんな席替えごときでぇ
はぁーおかしい(笑)」



目に涙をためながら理香は私をなだめる。



「理香は友達と近いからそんな事言えんのよぉ!」



わざと大袈裟にうわーんと言って再び机に伏す私の背中をもう一人の親友の結衣がさする。




「大丈夫だって、ほらここにひなの好きな抹茶ミルクパンがありますよー」




結衣は高校の入ってから仲良くなった。可愛くて優しくて男子からもモテモテな彼女の唯一の欠点は毒舌なところ。
告白してくる男子を真顔で「無理」と一刀両断したという武勇伝もある。




「ゅ...結衣ぃーー!」


私はここの学食の抹茶ミルクパンが大好き。
ふわっとした抹茶味のパン生地のなかにミルク味のとろりとした舌触りのいいクリームが入っているんだ。


「よしよし」


結衣はガバッと抱きつかれて一瞬姿勢を崩したものの、しっかりと受け止めて私の頭を撫でる。




「にしても本当にひなたの髪ってほんとに茶色いよね、若干金髪っぽいし。」


結衣私しの髪の毛を指でくるくると遊びながらしみじみと言った。