放課後、あたしは教室で委員会に出ている理香を待っていた。



夕焼けが空をオレンジ色に染めて、その光はいつも見ている普通の教室まで美しくした。




「遅いなぁ...」



あたしが自分から待ってるって言っちゃったけど、もうそろそろ最終下校の時間。少しずつ教室に残っていた生徒も帰ってしまい、今いるのは私だけ。


風が夕方の匂いを運んできて、なんだかとても寂しい気持ちになった。




すると突然、


ピロンッ♪



「っ!!!」


と鞄の中でメールの着信音がなってビクッと体が震えた。


「な、なんだ.....」



もー...驚かせないでよぉ...


心の中で自分の携帯に悪態をついてからメールを確認する。



送り主は理香。急にこの後委員会で買い出しの用事ができてしまって一緒に帰れなくなってしまったらしい。元々私が勝手に待つと言っていたわけだし、仕方無いなと思って軽く返信してから教室を出た。



この時間はほとんどの学年が下校してしまって、聞こえるのは誰もいない廊下に響く私の足音とグラウンドからの運動部の掛け声。別にお化けや妖怪なんて怖くないのに、何故か私は歩く速度を早めた。