小鳥のさえずりが聞こえる。
又、何時ものように朝が来る。
でも違うのは、午後から直樹君と秀樹君が出掛けること。
企業の社会人野球の選手達は午前中は仕事なのだそうだ。
でもまだ二人は正式には入社してはいない。
一応、キャンプには参加したのだが……
ほとんどの企業型社会人野球の場合、プロ野球同様にキャンプはあるようだ。
沖縄にあるチームの一月参戦から始まり、大概三月で終了となる。
二人は所属するチームのキャンプに卒業後から、春分の日近くまで行っていたようだ。
でも其処は大阪ではなかったので、引っ越しはそれ以降になったのだ。
二人は春の彼岸のお墓参りを済ませてからこの街へとやって来たのだった。
それは私が陽菜ちゃんとフラワーフェスティバルに行く約束した一日前だった。
私はその日、母に向かっていた。
友達とルームシェアする家を見に行くことを打ち明けたのだ。
母は私が東京で一人暮らしをすることを心配していたのだ。
母には陽菜ちゃんのことは話ていた。
逢わなくても、アナタの顔を見ていればどんな子が解る。
そう言ってくれたんだ。
だから私は翌日、陽菜ちゃんとの待ち合わせの場所へ向かったのだった。
でもまさかの大阪到着。
だけど嬉しいんだ。
直樹君の隣に居られることが……。
「これから朝は何時に起きれば良いの? 入社式が終われば正式な社員になれるんでしょ」
朝食の時に質問した。
「きっと朝は早いと思うよ。会社が始まるのは八時だけど、支度や朝練などもあると思うからね」
直樹君はそう答えてくれた。
「俺は何時に起きれば良いのかな」
大君が聞く。
「大は寝ていてもいいんじゃないかな? そのための置き型トスマシンだから」
「でも又、ボールが少ないなんて言われそうだ」
皮肉を込めて大君が言う。
「まだ根に持っているんか?」
「ん!? 根って何?」
「大も本当は打ちたかったんだ。でもボール拾いばかりだったからね」
「打ちたいに決まってるだろ。俺だって野球部員だったんだから」
大君が悔しそうに呟いた。
又、何時ものように朝が来る。
でも違うのは、午後から直樹君と秀樹君が出掛けること。
企業の社会人野球の選手達は午前中は仕事なのだそうだ。
でもまだ二人は正式には入社してはいない。
一応、キャンプには参加したのだが……
ほとんどの企業型社会人野球の場合、プロ野球同様にキャンプはあるようだ。
沖縄にあるチームの一月参戦から始まり、大概三月で終了となる。
二人は所属するチームのキャンプに卒業後から、春分の日近くまで行っていたようだ。
でも其処は大阪ではなかったので、引っ越しはそれ以降になったのだ。
二人は春の彼岸のお墓参りを済ませてからこの街へとやって来たのだった。
それは私が陽菜ちゃんとフラワーフェスティバルに行く約束した一日前だった。
私はその日、母に向かっていた。
友達とルームシェアする家を見に行くことを打ち明けたのだ。
母は私が東京で一人暮らしをすることを心配していたのだ。
母には陽菜ちゃんのことは話ていた。
逢わなくても、アナタの顔を見ていればどんな子が解る。
そう言ってくれたんだ。
だから私は翌日、陽菜ちゃんとの待ち合わせの場所へ向かったのだった。
でもまさかの大阪到着。
だけど嬉しいんだ。
直樹君の隣に居られることが……。
「これから朝は何時に起きれば良いの? 入社式が終われば正式な社員になれるんでしょ」
朝食の時に質問した。
「きっと朝は早いと思うよ。会社が始まるのは八時だけど、支度や朝練などもあると思うからね」
直樹君はそう答えてくれた。
「俺は何時に起きれば良いのかな」
大君が聞く。
「大は寝ていてもいいんじゃないかな? そのための置き型トスマシンだから」
「でも又、ボールが少ないなんて言われそうだ」
皮肉を込めて大君が言う。
「まだ根に持っているんか?」
「ん!? 根って何?」
「大も本当は打ちたかったんだ。でもボール拾いばかりだったからね」
「打ちたいに決まってるだろ。俺だって野球部員だったんだから」
大君が悔しそうに呟いた。