お昼を食べてから、ホームセンターへ買い物に行くことになった。

明日から社会人野球の練習に参加することになって、髪の毛を染め直すのだ。

男性用のヘアカラーはドラッグストアで買ったけど、毛染めに必要な小物を忘れてたのだ。


金髪にするのにはブリーチしなければいくないらしいけど、黒はすぐに染まるらしい。

必要だと思われる品物をカートに入れてから、鍵のコーナーに行った。

それぞれの合鍵を作るためだった。


(――私にも作ってくれるの? そんなに信用してくれているんだ)

私は直樹君の行為が嬉しくて思わず泣いていた。


ホームセンターには、様々なスポーツ用品が売られていた。
ボールにスパイク、ミットやグローブ。
一つ一つ手に取りながら、必要な物をチェックしていく。


トスマシンも何機種かあった。
直樹君は置き型スタンドを選んだ。
値段が安いことと、電気も使わなくて済むからだ。




 トスマシンとは、バッティングするボールをストライク位置に上げる機械だ。

ポップアップ式と自分でボールを置くタイプがある。
全員が野球経験者だから手で上げられるし、キャッチボールの時は誰か一人が打者にもなれる。
三人で住むことはそれだけ強味になるようだ。


反対に捕球ネットは高額商品に手を伸ばす。


「でっかくで丈夫なのが一番だからね」
そう言いながら笑った。

捕球ネットやトスマシン。

自宅での練習に欠かせない道具でカートが埋まっていく。

私はついでに、庭いじりの道具も見て回ることを提案した。